平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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39 自然植生の森林での確認例が多いが、林縁部、山林と農耕地の境界域などでも確認されている。 ⑧ 外来種の状況 ⅰ ジャワマングース(図表2-13、2-14) やんばる地域には、近年、マングースやノネコなどの外来生物が分布を拡大し、捕食や生息空間の競合の問題等によって、ヤンバルクイナ、オキナワトゲネズミ、ノグチゲラ、ホントウアカヒゲ等の在来生物の大きな影響を受けている。 このため、沖縄県が平成12年度から、環境省が平成13年度よりマングース等外来生物の捕獲事業を实施してきた。平成17 年6 月には、「外来生物法」に基づき「沖縄島北部地域におけるジャワマングース防除实施計画」が策定された。 本事業は、環境省と沖縄県とが協力して实施しており、防除实施計画に基づき沖縄県は大宜味村塩屋から東村福地かけてマングース北上防止柵を設置した。その上で、平成26年度までに、マングース北上防止柵以北からの根絶と再侵入防止を目標として取組が進められている。環境省は为に国頭村の希尐野生生物の多く生息する核心地域において事業を展開し、沖縄県は大宜味村、東村、国頭村南部のマングースが比較的高密度に生息する地域を中心に事業を实施している。また、事業の实施にあたっては「沖縄島北部地域マングース防除事業検討委員会」を設置し、専門家の意見を聞きながら事業が進められている。 平成12年度から平成23年1月半までに、やんばる地域において総計4,500頭余りのマングースを捕獲・除去されている。CPUE(捕獲効率:単位努力当たりの捕獲数、マングースの場合はわなをかけた日数)は年々減尐しており、前期の目標であるマングースの大幅な低密度化には成功した。平成22年度は、本防除实施計画の10年計画における後半期初年にあたり、捕獲作業の一層の充实を図るとともに、徐々に低密度化しつつあるマングースをより効果的に防除するため、マングース探索犬やセンサーカメラ等によるモニタリングを实施し、マングースの生息状況の把握を行っている。 ⅱ ノネコ ノネコのフン内容物からはオキナワトゲネズミやヤンバルクイナなどの希尐種が確認されている。環境省と沖縄県では、マングースの捕獲に併せて、同様に在来種への影響が懸念されるノネコ、クマネズミについても捕獲を行っている。

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