平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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29 候補地であること及び自然資源、後述する徳之島フォーラムでの住民意識の高まり等から、モデルとしての資格を充分有する地域であると考えられる。 ② 国立公園のゾーニング及び管理手法 土地利用3区分のうちⅠ保護ゾーンと重複する。 (国立公園のゾーニング等の考え方) 国立公園のゾーニングは、以下の考え方を原則とする。 ・ 国立公園の役割は、保護を中心としつつ公園利用のための地域を明示することにある ・ 世界自然遺産登録を考えれば、登録のための絶対条件でもある ・ 徳之島の土地利用ゾーニングにおける保護ゾーンは、自然を保護すべき核心地域を明確にする意味があった ・ 保護地域を明らかにすることは、反面で、生活生産のために開発が認められる地域を明示することでもある ・ 国立公園区域設定は、土地利用3区分の保護ゾーンの考えをベースに検討 ・ Ⅰ、Ⅱゾーンは、それぞれ特別保護地区及び第1種特別地域、2、3種特別地域として考えられる。海域は、珊瑚礁を中心に、現在の海域公園の拡大を基調とする ・ Ⅱゾーンのうち2箇所程度、天城、井之川岳の中間地帯、犬田布岳南麓部等は再生ゾーンとし、自然林の再生について検討する ・ 利用計画については、海岸周辺展望地、保護調整ゾーンをマス利用計画地域とし、保護ゾーンは、エコツアーなど限定的利用地域とする (ゾーニングの優先事項、手順) 国立公園対象を考える場合の優先すべき事項及び手順は、以下である。 ・ 海岸の展望地をほぼ指定区域としている国定公園区域は出来る限り踏襲する ・ 天城、井之川岳の自然林が優先する山頂域を保護する ・ クロウサギ等希尐生物の分布から、両山をつなぐ畑及び二次林地域の扱いは、現状の利用優先すべき地域と自然林を再生すべき地域に分けられる ・ 両生類は虫類等の分布から、小水系、湧水地などの水系域が重要である ・ 希尐種や固有種などが分布する海岸域などの地域及び海域については、既国定公園地域を踏襲し、場合によっては拡大を検討する ・ 集落景観など一部景観については、公園区域として考慮する

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