平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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28 ① 土地利用ゾーニング ⅰ)ゾーニングの目的 ・ 地域社会の安定、発展のためのもっとも基礎的要件は、土地利用の大きな方針、計画である ・ このゾーニング計画は、言い換えれば、どこを開発し、どこを守るのかという地域合意のことである。保護だけでも開発だけでも不十分であり、要は両者、全体のバランス ・ 大きな区分-3区分とする。ゆるやかな3区分を図示してゆるやかな合意を得ることが重要。図で示すが、いわば島の方向性、方針を意味する ・ 3区分は、Ⅰ-保護ゾーン、Ⅱ-保護調整ゾーン(一部はⅡ-2-再生ゾーン)、Ⅲ-生活文化ゾーン ・ 保護調整ゾーンは、取り扱いによってさらに2区分される ・ ゾーンごとに大まかな利用配慮指針を掲げる ・ ゾーン分けには、植生図(図表1-11)、重要生物分布図(図表1-15~1-19)、海岸線現況(図表1-14)、文化資源分布(図表1-51)、国定公園など保護地域図(図表1-21)、5万分1など現況図、開発計画図などをベースとする ・ また、既国定公園地域は、保護地域としての扱いを前提とする ・ ゾーニングは、一定の広がり、景観的にまとまりのある地域を括ることを原則とする ・ 生活文化ゾーンにおいて、開発は基本的に容認するが、一方、保護に留意すべき事項を内在した区分でもある ・ ゾーニングの線引きは、当然厳密なものではない。島内関係者の議論、合意によって最終的には決定されるべき性格のものである。本提案は、こうした合意形成のためのいわばたたき台である (「モデル」の意味、役割について) ここで言うモデルの意味、役割は、分かり易い典型であることによって当該地域はもちろん、他地域、他の为体が範とすることができるということにある。 ここでモデルとしての基本要件を考えると、 ‣ 自然と人間の関係のバランスが生活の日常の中にいまだ存在していること ‣ その自然が鮮やかでイメージ喚起力が強いこと ‣ 手垢のついていない新鮮なイメージの地域であること ‣ 何よりも自然を中心とした地域の将来像について地域の合意を得る可能性があること 等であると整理できる。地域合意はこれからであるが、徳之島は世界自然遺産

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