平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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21 体となる話し合いの場を設け、地域が有する自然の恵みや価値を改めて整理し、地域の将来像を描く中でどのような形で保全し活用していくのかを地域で議論することが必要である。 なお、世界自然遺産となりうる範囲については、「①大陸島の種分化が明確で、遺存固有種・固有種や国際的な希尐種が多く存在し、②OUVの証明に貢献できる生物地理区を代表する島嶼で、③良好な自然環境が一定の規模で残っており、負の影響を受けていない地域、をシリアルの構成要素として抽出して推薦することが適当」とされており、奄美群島では奄美大島と徳之島が有力である。 ここで重要なのは、琉球諸島の世界自然遺産としての価値は琉球諸島全体で証明されるものであり、完全性の観点から推薦する区域は絞り込まざるを得ないが、その他の地域も世界自然遺産としての価値を証明する支持的根拠として不可欠な存在であるということである。このため、その他の地域についても世界自然遺産に関連する周辺地域として、関係する機関や団体が地域と一体となって保護を図り、世界遺産と共生する地域社会作りを行うことが重要である。

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