平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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16 4) 農業 ① 耕地面積の推移(図表1-30) 耕地面積は徳之島と沖永良部島が大きく、この2島は増加傾向にあるが、近年は伸びが小さくほぼ横ばいで推移している。喜界島と与論島はほぼ横ばいである。奄美大島は、かつては徳之島と並ぶ耕地面積があったが、昭和50年代に大幅に減尐した後、横ばいで推移しており、現在は、約15分の1の面積の喜界島と同程度の耕地面積である。 ② 農業産出額推移(図表1-31) 農業産出額は、農産物生産数量に農産物農家庭先販売価格を乗じて推計されている。農業産出額は徳之島が一番大きく122億円である。徳之島と沖永良部島の農業産出額は昭和45年から60年にかけて大きく伸びており、奄美大島、喜界島、与論島の約3倍である。近年は横ばいで推移している。 ③ 農業産出額(作物別)と生産農業所得(図表1-32) 平成18年の生産農業所得統計によれば、喜界島、徳之島、沖永良部島の各町村で産出額が高く、農家一戸当たりの生産農業所得でみると沖永良部島(和泊町で約240万円)が特に高く、ついで喜界島、徳之島が高くなっている。奄美大島でほとんどの市町村で50万円に満たない。 作物別でみれば、奄美大島はサトウキビ、畜産、果实、野菜が、喜界島はサトウキビと畜産が、徳之島はサトウキビと畜産に加えていも類が、沖永良部島は花卉とサトウキビが、与論島は畜産が盛んである。 沖永良部島は、軽量の換金作物である花卉の栽培が盛んなため農業所得が高くなっていると考えられる。 ④ 水稲とさとうきびの作付面積の推移(図表1-33) ⅰ 水稲 水稲作付面積は昭和35年(1960年)まで、郡島全域で6,225haあったが、昭和36年(1961年)の農業基本法の制定、昭和45年(1970年)以降の減反政策の影響を受けて急激に減尐し、昭和55年(1980年)にはほとんど見られなくなっている。湿地環境である水田の急激な減尐は、奄美群島の生物の生息環境に大きな影響を与えた可能性が示唆されている。 ⅱ さとうきび さとうきび作付面積は、「国内甘味資源自給力強化総合対策」が始まった昭和34年(1959年)以降に急増しているが、昭和55年(1980年)頃をピークに

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