平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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13 が求められる。世界自然遺産の島であることが来訪者に目に見える形で伝わるならば、奄美群島のリピーターの増加にもつながり、観光による地域活性化も期待できる。 ⑤ 持続可能な利用方策の確立 世界自然遺産となった屋久島、白神山地、知床の例を見れば、観光実の増加が予想される。地域経済の活性化のためにも自然資源を活用した観光振興は重要である一方で、奄美の世界自然遺産としての価値を証明するアマミノクロウサギなどの希尐動物は通常は見ることは困難であり、見ること・見せることを追求すれば森林部への入込み要求が増大し、希尐動物の生息環境を脅かすことが予想される。 このため、今後の利用者の増加を想定し、利用人数の調整や利用ルートの一時的な閉鎖などのルール作りを行った上で、奄美地域の魅力を十分に味わえるような利用ルートや利用メニューを、行政及び地域で検討することが重要である。 具体的には、多人数利用が可能でガイド無しでも楽しめるエリアと、エコツーリズムなど人数制限が必要でガイド付きを前提とする利用に適したエリアを区分し、それぞれに応じたルール作りや利用施設整備を行うことが望まれる。

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