令和4年度外来植物モニタリング調査マニュアル(奄美大島版)
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外来植物のモニタリングでは、外来植物の個体数や分布の経時変化を把握します。一方で、固有種への影響を考える上では、外来植物の繁茂の程度を知る必要があります。一般的に、植物の繁茂の程度は、個体数やバイオマスの密度として捉える必要があります。たとえば、土地の面積や調査経路長あたりの個体数やバイオマスを調査します。本マニュアルでは、調査経路長あたりの個体数を調査の対象とします。調査経路長あたりの植物個体数を調べる方法として「ラインセンサス法」というものがあります。この方法は、事前に決めた一定のルートに沿って、そのルート上に出現した植物を記録するというものです。実際の作業では、林道を含めた一般の道路に沿って歩いて外来植物を探すことになります。作業自体は散策を踏まえることができますので、比較的容易で、楽しむことができると思います。また、多くの外来植物は開けた場所を好み、一般の道路の脇に多く生育することが知られています。そのため、ラインセンサス法は、外来植物の調査に適しているといえます。ラインセンサス法において、特定のルートで調査を重ねれば、外来植物の密度(調査経路長あたりの個体数)の経時変化が得られます。このデータを用いれば、駆除作業の効果や固有種への影響の変化を把握することができます。しかしながら、これらの検証を確実に行うためには、次に示す2つのポイントが重要になってきます。1つ目のポイントは、確認した外来植物の写真を記録することです。こうすることで、外来植物の識別のミスを防ぐことができます。さらには、個体数の情報だけでは分からない外来植物の繁茂状況を知ることができます。2つ目のポイントは、確認した外来植物の位置を正しく記録することです。これは、対象の植物個体にラベルを貼るようなもので、経時変化の中で、その個体が除去されたのか、新しく入ってきた個体なのかを識別することができるようになります。なお、調査の中で発見した外来植物の一部(特定外来生物として指定されているもの)は、外来生物法により、許可なく移動させることが禁止されています。特定外来生物については、環境省の公開する特定外来生物等一覧(以下のURL)でご確認ください。【https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list.html】また、特定外来生物以外の外来植物の場合も、国立公園特別保護地区や国有林、保安林など植物の採取等が禁止されている地域もあるため、許可を受けていない場合は、原則として採取等はせずに調査を行うようにしてください。以上を踏まえ、本マニュアルでは、ラインセンサス法を用いて、外来植物の写真と位置情報を記録するというモニタリング方法を採用します。以下では、その具体的なモニタリング方法を解説します。31.外来植物モニタリングの調査方法

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