10 図4 高校生のTNRに対する許容度 図5 高校生の飼い主探しに対する許容度 ネコ問題の解決策としては、ネコの室内飼育の徹底やマイクロチップ装着による管理、TNR、飼い主探しなどがあげられます。奄美大島で生活している一般の方と高校生は、TNRと飼い主探しのどちらが,ネコ問題の解決策として望ましいと考えているのでしょうか。 TNR 一般の方は支持する、支持しないとで、はっきりとした差は見られませんでしたが、高校生は望ましくないと回答した生徒が多く見られました(41%)。なるべく傷をつけないような方法がよいと考えている生徒が多いと考えられます。また、不妊手術自体にあまり良いイメージが無いと考えられます。 飼い主探し 一般の人、高校生共に半数近くが支持しており、TNRよりも支持率が高かったです。ネコを傷つけず、ネコにとって最も幸せな選択肢と言えます。しかし、奄美大島に生息している全てのノラネコ・ノネコの飼い主を見つけることは非常に困難です。 まとめ 今回の調査で感じたことは、高校生は「ネコ問題」について、ほとんど知らないと言うことでした。どのようなことが問題になっているのか、正しい知識と理解が必要だと思いました。アンケートの結果では、飼い主探しが望ましいと回答していますが、実際には簡単に飼い主は見つかりません。このままネコが増え続けると殺処分するしかないという現実を、皆さんに知ってほしいと思いました。 * 聞き取り調査およびアンケート調査は、豆野皓太(北海道大学農学部)・鈴木真理子(鹿児島大学国際島嶼教育センター)・久保雄広(国立環境研究所)が行いました。ここに示したグラフは北海道大学農学部卒業論文ほか未発表データを含みます。引用は冊子の裏面に記載してありますので参照してください。
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